KH-2006

曲目(全12曲)

Estate / But Beautiful / After You've Gone / It's Just A Dream / Quiet Now / サッちゃん / みるこころ / Days Of Wine And Roses / Do You Know What It Means To Miss New Orleans / Stella By Starlight / Till There Was You / Soulache

[曲目解説]

 

 

 

1 EstateBruno Martino

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「夏」、と題された作品ですが、かげりのある美しいメロディとハーモニーを持つこの曲は、明るくまぶしい夏を表現した作品ではないようです。恥美的な曲調を生かす内省的な表現を心がけてみました。

 

But Beautiful Jimmy Van Heusen/Johnny Burke

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Van Heusenの数々の名曲のなかでも、ことにすばらしい作品のひとつです。リハーモナイゼーションがかもしだす陰影に演奏表現のテーマが置かれています。

 

3 After You've Gone Henry Creamer/Turner Layton

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アメリカ的な陽気さを持つこの作品の個性を生かし、オーソドックスなストライド・ピアノ風スタイルで演奏してみました。 Jazzyな感じを素直に表現しようとした演奏です。

 

4 It's Just A Dream (奥田章三)

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敬愛する恩師、奥田章三氏の作品です。曲調から自然とあふれでるあたたかさは、彼の人柄をそのまま伝えているようです。原曲をそこなわないよう、素直な演奏を心がけました。

 

5 Quiet Now Denny Zeitlin

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知られざる巨匠、Denny Zeitlinの傑作です。大変難解なハーモニーを持ちながら、曲調の自然な流れを両立させているところは、驚異としか言いようがありません。広く知られるべき作品だと思います。

 

6 サッちゃん (大中恩)

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この曲を編曲したのは、実はもう20年以上前のことでした。楽節が繰り返されることのない、高度なメロディでありながら、国民的に親しまれているこの曲に、音楽に熱中していた高校生として興味を感じていました。以来、愛奏しつづけてきたこの作品では、緻密な構成と即興演奏をうまくバランスさせようとしています。

 

♪7 みるこころ(祖田修)

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クラシック、Jazz、ロックに明け暮れていた10代のころ、日本的な音楽の響きを学ぶため、ごく個人的に4つの作品を作曲しました。その4作目がこの作品です。当時、日本的な情緒と Jazz的な即興演奏をあわせ持つ曲を目指したこの曲ですが、今回演奏して、あらためてその表現の難しさに苦心しました。

 

8 Days Of Wine And Roses Henry Mancini/Johnny Mercer

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Manciniの代表作としてよく知られた作品です。事前の編曲は行わず、即興演奏に徹したアプローチを取りました。この曲の新鮮な一面を切り取ることができたなら幸いです。

 

9 Do You Know What It Means To Miss New OrleansLouis Alter/Eddie De Lange

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望郷の思いをつづったこの曲のすばらしさは、在米時しみじみ感じ入ったものでした。 New Orleansの四季の風物への恋しさが延々となつかしまれた後、最後のフレーズでさらっと、「それより恋しい人が待っているふるさと」と、ラヴソング化するあたり、作詞術の巧みを感じる作品です。

 

 

10 Stella By StarlightVictor Young

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数あるVictor Toungの名作の中でも、傑作中の傑作だと思います。この作品のメロディとハーモニーの斬新なからみ合いを大切にした、幻想的な解釈を目指しました。

 

11 Till There Was YouMeredith Wilson

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Jazzミュージシャンが演奏する機会が比較的少ない作品だと思います。純粋に、とても美しい名曲です。日常、Swingアプローチをとって演奏していますが、今回のレコーディングでは、沈潜したバラードとして演奏してみました。

 

12 Soulache (祖田修)

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2005年春、亡父が他界した際に作曲した作品です。本来6人構成のバンド用に作曲したものを、ピアノ独奏で演奏するのは大変難しいものでした。在米時、The Chicago Horns(次項参照)の一員として出版した作品の中にも、私を育んだ家族をテーマにした、「MAHO's Dream」と題した作品がありましたが、その続編としての作品です。何をどのように表現しようとしているか、さまざまに想像していただければ幸いです。

 

 

 

http://www.sopromusic.com/

 

 

 

 

(紹介)

1972年に、リーダー、トロンボーンプレイヤーのビル・マクファーランドにより

結成され、以来、現在に至るまで活動を続けている。

 

 シカゴに拠点を置いて活動を続けてきたこのバンドから巣立った著名ミュージシャンは数多く、チャカ・カーン(vo)、ヴィクター・ベイリー(bs)、ロニー・プラキシコ(bs)等、シカゴ出身の国際的ミュージシャンの多くが、このグループをその国際的舞台への登竜門としている。

 

 アレサ・フランクリン、オーティス・クレイ、オーティス・ラッシュ、ルー・ロウルズなど、枚挙にいとまのないシカゴ・ブルーズのスター達に、常に1st コールのホーンセクションとして敬愛されてきた、タイト且つ重厚なそのフロントラインと、フレディー・ハバード(trpflg)・クインテット、クリフォード・ジョーダン(sax)・クァルテットなどにも在籍経験を持つ、ピアニスト・コンポーザー祖田修率いる本リズム・セクションが融合した1992年、このグループのアメリカJAZZシーンでの評価は、決定的なものとなった。

 

 現在リリースされているレコーディングの原点としても、本アルバムに収められているメンバーによるオリジナル作品は、このバンドのヴァイタルでヴァーサタイルな音楽性を明確に表しており、貴重であるとともに聴く者の心を強く捉える力を持っている

 

 

1. Halold The Great(Bill Mcfarland)

 

1960年代に、黒人公民権運動に多大な貢献を残した故ハロルド・ワシントンが逝去した夜に、バンドリーダー、トロンボーンプレイヤーのビル・マクファーランドにより作曲された、シカゴ・ホーンズを代表するナンバーの一つである。

 アフリカン・アメリカンの不屈の精神を象徴する8分の12拍子のリズムと、雄々しいメロディ・ライン、ソロのバックに引用されるアフリカ象の雄叫びをイメージしたリフレインが印象的な作品である。

 アフリカン・アメリカンの不屈の精神を象徴する8分の12拍子のリズムと、雄々しいメロディ・ライン、ソロのバックに引用されるアフリカ象の雄叫びをイメージしたリフレインが印象的な作品である。

 

2. Hip Hop Swing(Kenny Anderson)

タイトルが示すように、1990年代初頭にN.Yにあふれていたヒップ・ホップの興隆期の雰囲気をJAZZミュージシャンとしての印象から作曲した、シカゴ・ホーンズの偉才ケニー・アンダーソンによる作品である。

 素晴らしいヴォーカリストであり、シャープなドラマーでもあるケニーならではの魅力あふれる斬新な一曲である。

 

3. MAHO`s Dream(Osamu Soda)

それまでのシカゴ・ホーンズのイメージを一新し、このバンドの新たな一面を音楽シーンに紹介する事となった作品。

 タイトルの「MAHO」は、祖田修の家族全員のファースト・ネームのイニシャルであり、サックスプレイヤーである父親の故祖田正仁に捧げられた曲である。

 ピアノが何かを回想するするように開始するイントロに導かれ、
テナー・サックスとピアノが会話しているようなメロディの後、力強いながらもどこかやるせなさを感じさせるBメロセクションが印象的なコントラストを形作っている。

 祖田修の耽美的でピアニスティックなソロとラストメロディ・コーラスの後、冒頭のイントロのフレーズが、バンド全員の演奏により回帰する。

曲の最後のコードの響きも、未来への継続を暗示させるオリジナリティあふれる作品である。

 

4. Mild Wind(Webster Lewis)

 本アルバム唯一、メンバーのオリジナル曲ではないトラックであるが、このグループの畏友、キーボーディスト・シンガーソングライターのヴィンス・ウィリスのオリジナル・アレンジに祖田修が再アレンジを施した大作である。

 自由なそよ風の戯れな流れを思わせる曲調が美しく、各メンバーのソロが紡がれていく。コーダに現れるホーンセクションの印象的なリフレインに、このバンドのインターレイシャルな個性が象徴されている。

 

5. Mood Swings(Kenny Anderson)

いわゆるニュー・エイジ系と呼ばれたJazzを意識したトランペット・プレイヤー、ケニー・アンダーソンの筆による佳作である。

 ケニーの斬新なハーモニーセンスが見事に表現されている。

ムーディなグルーブに乗ってクールに展開されていく曲でありながら、コーダ部分に繰り広げられる祖田修とケニーのソロ・バトルに聴くことが出来るようなパッションが、この曲の演奏を充分にダイナミックなものにしている。

 

6. Pease Is The Key(Kenny Anderson)

 1980年代の幾分モーダルなJAZZの雰囲気を持った、ケニー・アンダーソンによるストレート・アヘッドなJazzチューンである。

 ソリストのバックにおけるリズムセクションの演奏も複層的で、この曲の演奏を立体的なものにしている。

ぐんぐんドライブするグルーブが魅力の作品。

 

7. Mar Di Gras(Bill McFarland)

このグループの代表曲であり、人気と評価に火をつけることとなったヒット曲である。

 キリスト教の祝祭日の一つであるMardis Gras(マルディグラ)のカーニヴァル時期に、ニュー・オーリーンズを訪れたトロンボーンプレイヤー、ビル・マクファーランドが、その熱気あふれる町の雰囲気に対する印象を曲にしたもの。

 このグループならではの熱く爽快な演奏が展開される。

 

8. Fire Horns(Osamu Soda)

本アルバムのタイトル曲であるこの作品は、多彩な音楽性を誇るこのグループの原点とも言えるスタイルである正当派ハード・バップ・スタイルに則った、聴く者全てに鮮烈な印象を残す作品である。

 ピアニスト、祖田修が「このバンドのテーマ曲を作る」、のコンセプトのもと、一晩で書き上げて以来、常にライブ・ステージでオープニングチューンやアンコールチューンに演奏されてきた。

 訪米中だったスウェーデン国王の為に演奏した際、直々に賛辞を受けたり、ブルースの巨匠B.B.キングの絶賛を受ける等、逸話の多い作品である。

 そのタイトル通り、燃えるような本アルバムでの演奏は、このグループの演奏能力の高さと、各メンバーの持つミュージシャンシップを具現している。

 

9. MAHO`s Dream (Osamu Soda)

本アルバムのボーナストラックである。
 このMAHO`S DREAM I のオルタネートテイクは、レコーディング中、スタジオ内で繰り広げられる、ミュージシャン達の演奏解釈への試行錯誤を伺うことの出来る興味深い記録の一つとして貴重である。

 

VRCL 18845

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